高齢者親子二人暮らしJIBIRAのブログ

高齢者親子の日々の生活や経験を綴ります~☆彡

今週のお題「人生最大のピンチ」

今週のお題「人生最大のピンチ」

は、今になって思えば、「災い転じて福となる」かもしれませんが、内容はかなり深刻ですので、デリケートな方はご注意くださいね。

 ズバリ!会社の倒産です。

 直接的な原因は、政策金融公庫の担当者に振り回され、融資が決定しなかったことです。要求された試算表や諸々書類を提出していたのにもかかわらず、いつもの担当者は留守ばかりで新米社員に対応させたのです。そして、ズルズル審査を引き延ばされ、次は一か月後の決算書を見てから融資しましょうと。断るなら、早く結論を出してくれればと恨み節も言いたくなります。それまで、無為に過ごしていたのではなく、他の金融機関にも相談していました。けれど、うちのような債務超過の法人は、必死に売上を上げても月々の資金繰りには焼け石に水です。

 そもそも、借金だらけの会社を父から引き継いだときに清算すればよかったのですが。引き継ぐまで、一社員として昼夜問わず必死に働いていた私にはかなりの顧客がつき、売上・純利益も右肩上がりでした。このまま頑張れば、借入金も減少し、健全な経営に導くことができるのでは?と思っていたのです。

 しかし、うちには父の代から権威を振るっていた役員がいました。経理やしまいには資金繰りや人事まで権限をもつようになっていました。出入りの金融機関や取引先からその役員の不正を私に忠告されても、私には父にはっきりと告げることができませんでした。事あるごとに、「わしと○○さん(役員)が頑張っているからこの会社はなりたっているんだ!黙れ!」と暴力に訴えるのです。

 以前、「ザ・世界仰天ニュース」を見たとき、驚きました。うちの役員と同じ手口で横領し、経営を牛耳っていた経理担当の人間の再現内容でした。その会社は、経営が行き詰まり、跡を継いだ経営者は自殺に追い込まれたのでした。手口は、まず会社の金を自分や家族の口座にうまく移し、会社の資金繰りが滞ったときに善人面で会社に資金を貸すのです。人事的にも社員や取引先や税理事務所の担当者にお祝いやお小遣いを渡し、手なずけていくのです。

 うちは、私が代表者になり、徐々に会社の業績を上げていき、その役員から権限を私に取り戻して行きつつあったとき、役員が致命的なミスを犯し、債務がまた元通り以上に膨れ上がりました。役員には責任を取って辞めてほしいと言いましたが、頑張るからとあの手この手で居座ったのです。

 そして、業務の多忙と資金繰りと私の精神状態は尋常ではなくなっていきましたが、それでも取引先や顧客に迷惑だけはかけたくない一心で、方法を模索していました。冒頭の政策金融公庫の騙しに合う頃にはかなり覚悟ができていて、自殺も念頭にありました。車で崖から転落すれば、保険金で何とかできるのでは?と。

 けれど、親友にそれとなくお別れのメールを送ったとき、察知したのか、思いとどまるよう説得されたのでした。私は母やきょうだいには深刻な問題は相談できずにいました。かえって、神経を逆なでされるからです。

 私は覚悟を決め、信頼している弁護士に相談しました。かねてから、顧客を紹介したり、業務を補助してきた私からの唐突な話に弁護士は非常に驚いていました。いつもの私からはそのように切羽詰まった雰囲気はなく、お客様のことばかり考えて仕事をしていたからです。弁護士からは、「こんなになるまで我慢せず、もっと早く相談してくれたら良かったのに、ほんとうにつらかったですね」と言われたとき、初めて人前で涙が出ました。幸い、売上金の回収がスムーズにでき、顧客にも取引先にも社会保険料・税金も迷惑をかけることなく、破産することができました。金融機関は、保証会社や保証協会や不動産担保があったので、まったくの貸し倒れにはなりませんでした。

 その後、世界中が、新型コロナウイルスによりたいへんな状況になり、中小企業も苦難が続いています。そんな中、その直前に会社清算をすべて完了できたのは、不幸中の幸いというべきなのでしょうか。今破産するとしたら、弁護士費用も捻出できなったかもしれません。

 毎日、母の介護と日常生活をおくりながら、仕事に対する情熱はまだ持っているのに、何もできない日々がもどかしくもあり、でも、ベッドでぐずぐず寝ているとき、これも幸せの一つかもと思える自分がいます。高齢者になる直前まで、徹夜続きで仮眠を取りながら仕事をするときは、ああ、いつかぐっすり眠りたいと思っていたものです。

 これほど長いしつこい文章をお読みくださり、感謝申し上げます。

世界中が早く健康で平和な日が来ますよう、心からお祈りいたします。また、経営に苦労されている方々、くれぐれも命は大切になさいますようお願いいたします。

 私も生きていて心底良かったと思っています。ただ、苦労がたたって、病院通いに忙しいですが。